JHRS認定心電図専門士の試験問題とは?受験してきた看護師のまとめ
JHRS認定心電図専門士の試験を受験してきた看護師の話です。
そんなわけで今回は今後JHRS認定心電図専門士試験を受験しようと考えている人向けの記事です。どんな試験問題だったのかのイメージを掴めることが出来れば幸いです。
前回記事はこちらです。
JHRS認定心電図専門士の試験問題とは?受験してきた看護師のまとめ
JHRS認定心電図専門士の試験範囲について。日本不整脈心電学会のホームページを参考にしてみると出題範囲のpdfには『実力心電図』の項目が書かれています。
なので基本は『実力心電図』を勉強していくことが合格の鍵のはず。しかし、ここが問題なところで『実力心電図』は心電図の辞書的なタイプの医学書なので、膨大な頁数があります。
ちなみに『実力心電図』はざっくり分けると主に前半が心臓の解剖や心電図検査の方法、後半が心電図判読です。
当日の試験問題は回収されます
当日試験はマークシート。50問。五肢択一 or 五肢択二
五肢択二については日本不整脈心電学会ホームページの試験要項で触れられていないので、もし今後受験する予定の方は覚えておくと良いかもしれません。
ちなみに心電図検定と同じ仕様です。試験問題が回収されるので、わからなかった問題を振り返ることが出来ません。
ここからは、うろ覚えになりますが試験問題について触れていきます。
JHRS認定心電図専門士の試験問題について
ざっくりわけると前半部分と後半部分で問題の内容が変わります。心電図に関わる様々な知識が求められるのが前半。心電図判読が主になるのが後半。
大体の目安ですが、前半部分が20問で後半部分が30問でした。
*実際に私が覚えている範囲での紹介です。以下が試験問題の全てではないことをご了承ください(試験問題は回収されているので)
前半部分(心電図に関わる様々な知識)
・心電図の歴史問題
・心臓の解剖生理
・心電図波形について(脱分極・再分極)
・肢誘導の付け間違えについて
・心電図検査あれこれ
トレッドミルの中止基準。ホルター心電図の誘導(CM5,NASA)について
・心電計フィルター
・CE機器のマークについて
・AED使用に関する問題
*参考程度でお願いします。試験問題の全てではありません
後半部分(主に心電図判読)
・心筋梗塞部位について
・心筋梗塞後の波形の変化について
・心房負荷の心電図波形について
・非伝導性心房期外収縮(Blocked PAC)について
・異所性心房調律(移動性ペースメーカ)について
・心室期外収縮の発生部位について
・心房細動+完全房室ブロックについて
・等頻度房室解離について
・早期興奮症候群(WPW症候群)について
・内服薬ジギタリスの特徴(五肢択二)
・電解質異常の心電図波形について
*参考程度でお願いします。試験問題の全てではありません
試験問題全体を通して受験した看護師が思うこと
前半部分に関して
1問目の心電図歴史問題が書かれた文章で心が折られ、のちに続く前半部分の知識を問う問題の数々で益々心が折られたのは私だけじゃないはず。あくまで心電図に関わる知識勝負です。
『実力心電図』の前半を知る人ならこの辛さがわかるはず。細かいME器機や心電図検査の知識は、中々看護師として働く臨床では馴染みがないことが多い・・・
そんなわけで心電図判読が主な心電図検定と違うところで、心電図に関わる知識を有し、かつ判読が行えることが心電図専門士なのかもしれません。
後半部分に関して
後半部分の心電図判読(所見についても)は受験した方々の反応(Twitter界隈含め)を見ると、心電図検定2級~3級程度の問題とのこと。
私は試験問題を解いて思ったことは
『実力心電図』だけだと試験問題に慣れないのが痛いところ。『心電図検定テキスト』を受験前に何度か目を通しておけば、五肢択一や五肢択二の問題に慣れるかもしれません。
『実力心電図』ばかりに気をとられ『心電図検定テキスト』を読んでいなかった。これに関しては私の準備不足でした。
あとはジギタリス効果の所見を二つ選べを例にとると、ST盆状降下に目が行きがちですが、PR間隔延長やQT時間短縮も覚えなければならないポイント。こうした細かい部分もつついてくる試験問題でした。
ちなみに試験勉強のテキストは結局のところ『実力心電図』でカバーできたのか?
以前にこのような記事を書いていました。
ここからはあくまで個人的な感想なので参考程度でお願いします。
実際に試験問題を解いてみて思ったことは
『実力心電図』+『心電図検定テキスト』
が理想だったかもしれません。
『実力心電図』+『心電図検定テキスト』が理想だと思った理由
前半部分の心電図知識問題は『実力心電図』を読み込んでいれば取れそうな問題がありました。心電図の歴史や、脱分極・再分極関連は覚え辛いですが、心電図検査関係は十分対策出来るはず。
しかし、対策は出来るとしても出題範囲が広いのが難点。来年度以降受験する方も、捨てる問題と拾う問題は自身の中で決めておいた方が良いかもしれません(私は脱分極関連は捨ててました)
一応心電図検定ではないのですが『心電図検定テキスト』に関しては、もし前半部分の心電図知識問題を落としても、後半の心電図判読で挽回出来る可能性があるので問題慣れをしておくのに最適と考えます。
その他、受験者の方が見ていた医学書を紹介
私自身が読んでいない医学書なので参考程度に紹介します。
試験前に周囲を見渡すと他にも『循環機能検査症例集 (JAMT技術教本シリーズ)』を持参している人もいました。
JHRS認定心電図専門士の日程の後に行われる認定心電検査技師試験の教本です。『実力心電図』以外でもこのような教本で勉強してきた人もいるようです。もしかして両方の資格を受験する方だったのかもしれません。
試験まで地道にこつこつと勉強を進めていく
試験問題の雰囲気を知って頂ければ、実際に受験してみたときのイメージが掴みやすいのでは?と考えて今回の記事にしました。
まだJHRS認定心電図専門士資格の情報が少ないなかで、少しでもこの記事が来年度以降受験する人の参考になれば幸いです。
以上。まる(@maru02ns)でした。