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山下武志医師の目線の動かし方。12誘導心電図判読の良本『3秒で心電図を読む本』

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『3秒で心電図を読む本』を看護師が読みました

以前から気になっていた医学書がありました。心電図の医学書を探すと上位に出てくる有名な本です。

ただタイトルだけ見ると本当にそんなことが出来るのか?!と一瞬疑うわけです。きっと私以外も疑う人がいるはず。

そんなわけで今回紹介する医学書はこちらです。

『3秒で心電図を読む本』です。3秒ですよ、3秒。この本は3秒に着目しがちですが、本質は心電図の読み方の本です。

 

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山下武志医師の目線の動かし方。12誘導心電図判読の良本『3秒で心電図を読む本』

 

この医学書のコンセプトは12誘導心電図の読み方です。

山下武志先生(数々の心電図にまつわる本の執筆者)の12誘導心電図の読み方が学べる本です。読み方をもう少し詳しく伝えると、

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山下武志先生の12誘導心電図を判読する際の「視線」と「視点」の動きが学べます

そんなわけでこの医学書の凄いところは、山下武志先生が実際にどのようなプロセスで12誘導心電図を判読しているかが学べる点です。

 

12誘導心電図判読に興味のある看護師さんにおすすめです

 

心電図を勉強する看護師さんのタイプとして

①モニター心電図判読から不整脈を学び、後に12誘導心電図に興味を持つ

②最初から12誘導心電図から心電図判読を学ぶ(不整脈含めて)

この2パターンのうち、どちらかに当てはまると考えます。

私は①です。なのでモニター心電図で不整脈は判読出来るようになってきたなぁ、と思って初めて12誘導心電図に興味を持ちました。そして12誘導心電図判読の奥深さに何度挫折しかけたことでしょう。

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この医学書は12誘導心電図に少しでも興味がある、けどどうやって見たら良いかわからない・・・もはや挫折しそう。そんな看護師さんにおすすめです

そんなわけでこの医学書を読む対象は12誘導心電図の判読に興味のある看護師さん向けです(本医学書の序文で書かれているのは医師や研修医が対象の本ではありますが)

 

3秒で読めずとも、12誘導心電図の読み方「視点」「視線」がわかる

 

最初に伝えますと、12誘導心電図判読における基礎知識があると読み込みがしやすい医学書です。私は心電図検定受験の際に勉強したことがあったので、なんとなくイメージがしやすかったです。

 

あまり深く書くとネタバレになってしまいますのでざっくりと書きます

1stステップ・・・第Ⅱ誘導を左から右に見るとき

2ndステップ・・・QRS波を上から下に見る

ラスト・ステップ・・・患者の症状に合わせてST部分・T波を上から下に見る

2010年 株式会社メディカルサイエンス社 山下武志 『3秒で心電図を読む本』目次の引用

の段階を経て、12誘導心電図の判読をしていきます。

 

これだけでは伝わらないと思いますので、筆者のメッセージを紹介しますと

効率的に心電図を読もうとする気持ちがあれば、視線の動きは最小限になる。そのとき、反復する視線の動きは省略され、最終的に、横方向に1回、縦方向に1回動かすことが効率的だと分かる。

2010年 株式会社メディカルサイエンス社 山下武志 『3秒で心電図を読む本』P36より引用

このように全誘導を細かくみるのではなく、あくまで見るポイントを限定し、視線を動かすことで12誘導心電図の判読を行います。

 

この魔法のような読み方は12誘導心電図の判読に挫折した人ほどに響くものだと思います。

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横に1回、縦に1回で12誘導心電図なんぞ読めない・・・そんなこと思いながら本書を読み進めた私も最後には納得しました。わかりやすい

そんなわけで視線の動きが説明されています。そして最後に練習問題も準備されており、全10問を解いたときにはある程度の視線の動きのクセがつくはずです。

 

*あくまで12誘導心電図の読み方を説明する医学書なので、心電図の奥深い知識(不整脈の判読方法や治療など)は別途に医学書があった方が良いです。

 

個人的に印象の残ったこと、読後の感想

 

内容をざっくりと読みたい方は、本書の最後に「3秒で心電図を読むためのkey message集」があるので、そこから興味のある頁を参考にして頂ければと思います。

 

山崎武志先生の12誘導心電図判読の視点・視線の動かし方を学べるだけでも素晴らしい良本です。

私は本書で書かれている12誘導心電図の覚えるタイプで言うとBパターン。それは12誘導心電図をある程度のパターン認識で覚えていました(年齢・主訴・ざっくり不整脈とST変化誘導のパターン認識)

今回この医学書を読んでみて、山下武志先生の読み方+パターン認識の新たな読み方を会得しました(あくまで会得した気分です)そんなわけで12誘導心電図の判読の幅が増えたように思えます。

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一度手にとって内容を確認して頂ければと思いますが、山下武志先生の読み方はとてもわかりやすいです。こうした12誘導心電図の「視点」「視線」が書かれている心電図本は少ないので是非おすすめです

 

看護師が少しでも12誘導心電図を判読出来れば自身の強みに出来るはず

 

色々と書いておりますが、あくまで12誘導心電図を判読し診断するのは医師です。私たち看護師はあくまで報告者です。

ただ報告者である私たちも12誘導心電図を少しでも読むことが出来れば、患者さんの状態が多少なりとわかります。特に循環器病棟で12誘導心電図を扱う看護師さんにとっては、知っていることだけでも強みになるはずです。

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そんな12誘導心電図を扱う看護師さんにはおすすめな本ですね。実臨床で12誘導心電図の読み方を習うことは少ないはずなので、読むだけで勉強になりますよ

 

そして2010年に発行された医学書でありますが、2019年度に書かれたAmazonレビューもあります。私は最近購入しましたが2018年第1版23刷発行でした。そんなわけで長くにわたり愛されている医学書です。

不整脈や急性冠症候群の治療的側面を求める医学書ではなく、何度も書いておりますが12誘導心電図の読み方「視点」「視線」に関する医学書です。

この医学書をきっかけに更にどんな治療が必要か、そういうところまで興味がわくと尚に心電図は楽しくなりますよ。

Amazonレビューも多くの方が書かれておりますので、ぜひ参考にしてみてください。以上。循環器病棟で働きたいと切実に願う・・・まる(@maru02ns)でした。

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