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循環器看護師まるのブログ

心房細動(AF or af)を伴った完全房室ブロック(C-Avb)?徐脈性心房細動?看護師として知りたいポイント

 

心房細動(AF or af)を伴った完全房室ブロック(C-Avb)? 不整脈を並べて楽しい?

よくよく見れば意外と循環器病棟で見かけるかな?とも思いまして・・・

 

検索でこの記事を見つけて頂いた方は、マニアックな不整脈を知りたい方と考えます。

 

なにせ不整脈が2つ並んでいるわけです。合わせ技で事をややこしくするパターンです。笑

 

*あくまで心電図の読み方がメインの記事です。治療的側面は深く紹介していません、その辺は成書を参考してください。

 

心房細動(AF or af)を伴った完全房室ブロック(C-Avb)とは?

 

最初に少しかみ砕いて説明しますと・・・

 

心房側は細動していますが、房室接合部には刺激が伝わらず、心室は補充調律で動いています

 

これでピンと来た方は下記の説明が物足りないはずですが、もう少し見て頂ければ幸いです。

 

そもそもは2つの不整脈の合わせ技です。イメージがつきにくいと思うので少しずつ説明していきます。例えば、こんな不整脈を見たことがありませんか?

 

R-R間隔が一定の心房細動

 

これ普通に考えると変なのです。

 

なにせ心房細動(AF or af)は【絶対不整】で紹介される不整脈です。本来はR-R間隔が不均等なのです、もっと言えばリズムが絶対に不整だからです。

 

そんな不整脈の王様とも呼ばれる心房細動(AF or af)ですが、何故かR-R間隔が一定の場合があります。

 

R-Rが均等間隔で出ているんだから、サイナス(NSR)でしょ?P波が見えづらいだけだよ

わからない・・・(ぱっと見てもP波ない。基線はギザギザで、むしろ心房細動じゃないの?だけどR-Rは一定・・・なにこれ。笑)

 

私は看護師として数年働いたときに出会いました。当時はこんなこと思っていました、不思議な不整脈でした。

 

相変わらず言葉だけで説明する記事なので、もしどんな波形か気になる方がいましたら、下記を参照してみてください。参考になります。

 

心電図判読へのステップアップシリーズ

 

では考え方を説明していきます。

 

まずは心房細動と完全房室ブロックを分けて考えます

 

この合わせ技不整脈を理解するポイントは解剖的に心房と心室を分けて考えることです。

 

その為にまずは心房細動と完全房室ブロックで知っておきたいポイントに分けて説明していきます。

 

心房細動で知っておきたいポイント

 

不整脈自体の詳細は紹介しません。

 

今回の理解で最低限知っていると良いポイント

 

①「心房の細動」

②「本来は絶対不整の不整脈」

③「心房の刺激は房室接合部を通して心室に伝わる」

 

この3つが知っておきたいポイントです。

 

それ以上に心房細動に興味がある方は下記を参照してみてください。

 

循環器用語ハンドブック(WEB版) 心房細動 | 医療関係者向け情報 トーアエイヨー

 

 

完全房室ブロックで知っておきたいポイント


不整脈自体の詳細は紹介しません。

 

今回の理解で最低限知っていると良いポイント

 

①心房からの刺激は伝わりません

②心房の調律と心室の調律がバラバラに現れます

③心室の調律で心臓が動いています。基本は徐脈傾向です。

 

この3つが知っておきたいポイントです。

 

これ以上に完全房室ブロックに興味がある方は下記を参照してみてください。

 

循環器用語ハンドブック(WEB版) 房室ブロック | 医療関係者向け情報 トーアエイヨー

 

心房細動を伴う完全房室ブロックの捉え方

 

上記2つの不整脈の最低限知っておきたいポイントを押さえて考えていきます。

 

①完全房室ブロックの状況

 

完全房室ブロックは房室接合部性もしくは心室の補充調律なので基本は徐脈です(おおよそHR50台以下です、信じる成書を参考にしてください)

 

ここで普通の完全房室ブロックであれば、P波は等間隔で出現しているはずです。状況的には房室を境に心房と心室がバラバラな動きをしています。

 

②完全房室ブロックの状況に心房細動が合わさる

 

心房の細動なので関わる部分は心房です。完全房室ブロックの状況に心房細動が合わさると、等間隔に出現していたP波は消えます。


消えたP波は心房細動なので細動波になり、モニター上は基線が揺れてギザギザの状態で観察出来ます。

 

③心房細動が合わさると絶対不整ではないのか?

 

ここが理解のポイントです。

 

いくら心房が細動をしていて、その刺激が無数に心室側に行こうとしようとしても、房室接合部でブロックされています。状況はあくまで完全房室ブロックなのです。

 

もう少し簡単に言うと、心房側がいくら細動していても心室側には何も関係ないのです

これにて

 

ギザギザの基線(心房細動)なのに、R-R間隔は一定(完全房室ブロックの心室調律)と言う合わせ技が完成しました。

 

*あくまで考え方です。様々な諸条件は無視しています、よろしくお願いします。

 

気になるところを思いつく限り考えてみました

 

私が思うところを少しずつ補足したいと思います。

 

①徐脈性心房細動とは何が違うのか

 

心房細動を伴った完全房室ブロックを考えるにあたり、検索の仕方によっては徐脈性心房細動として結果が出るかもしれません。

 

間違っていません。

 

結局心房細動を伴う完全房室ブロックを実際のモニター波形としてみると、徐脈の心房細動です。

なにせ完全房室ブロックがベースなので心室補充調律なのです。おおよそ徐脈です。言葉の使い方です

ちなみに徐脈性心房細動については、今回の心房細動を伴った完全房室ブロックでも解釈出来ますが、他にも色々な諸条件で起こります。

 

身近なところでは心房細動+βブロッカー内服など、内服による徐拍化で起こり得ることを覚えておいてください。

難しいです、不整脈って・・・

 

徐脈性心房細動について説明がわかりやすく、心電図も載っています。興味ある方は下記を参照してみてください。

 

徐脈性心房細動 | 大阪医療センター 循環器内科

 

②看護記録に書くならAF(or af) or C-Avb ?

 

病棟ルールに従うのが一番です。答えになっていなくてすみません。笑

 

もし看護記録として残すなら、HR○台AF(or af)と記入すれば通じるはずです。理由は見た目はただの心房細動の徐脈バージョンだからです。


その他、口答で伝えるならAF( or af) Bradyでも通じるはずです。

 

下手にHR○台C-Avb(AFを伴う)なんて書くとかえって混乱を招きそうです。

 

③どんな治療が必要なのか

 

これは医師の範疇になりますが、概略のみです。詳細は触れません。

 

 

❶心房細動なので抗血栓療法

❷完全房室ブロックなのでペースメーカー埋め込み手術が検討される

 

この2点を知っておくと看護師として働きやすいと思います。

そもそも徐脈の心房細動を見たら、嫌な予感がしませんか。私は苦い思い出が・・

医師より経過観察と言われているなら安心ですが・・・もし突然このような不整脈に出会ってしまったら、まずはバイタルと自覚症状を確認して医師に報告するべきです。

 

看護師の自己判断で不整脈を経過観察する程に危険なことはないと思います。

 

まとめ

 

HR○台NSR+PVC散発

 

日本語で伝えると正常洞調律+心室期外収縮の2つの言葉が並んでいます。けど見慣れているせいもあるのか、何も気になりませんよね。

 

それが突然

 

AF( or af)を伴ったC-AVb

 

日本語で伝えると心房細動を伴った完全房室ブロック。2つの不整脈が並んでいます。

えっ?なにそれ?と私は最初思いました。笑

 

えっ?なにそれ?と思うことは心電図に興味が出てくれば出てくる程に増えていくと思います。

 

今回の記事に関しても、こだわらなければ徐脈性心房細動に見えます。ただ、よくよく凝らして考えると、何かおかしいな?何でだろう?に繋がっていきます。

看護師として働いてそこまでマニアックな知識は必要なの?

・・・そこまで必要ないですよね。心電図が好きなんで、ついつい。笑

 

検索でたどり着いた方がいましたら、この記事が少しでも理解の助けになれれば幸いです。

 

今回記事を作成する際に参考にしたホームページ・記事です

 

徐脈性心房細動 | 大阪医療センター 循環器内科

 

心電図判読へのステップアップシリーズ

 

医療関係者向け情報 トーアエイヨー

 

今回記事を作成する際に参考にした文献です
実力心電図―「読める」のその先へ

実力心電図―「読める」のその先へ

 

 

過去記事です。良ければ参照お願いします